セミナー情報

量研・原子力機構・兵県大合同物性コロキウム(第107回)

The 107th QST-JAEA-UH Joint Condensed Matter Colloquium

日時: 平成31年4月23日(火) 16:00〜17:00
Date and time: 23rd Apr. (Tue.) 16:00 〜 17:00
場所: 兵庫県立大学理学部研究棟7階739号室
Place: Lecture room 739 (7F), Faculty of Science, University of Hyogo
題名: 分子性反強磁性体におけるスピン流生成
Title: Spin current generation in molecular antiferromagnets
講演者: 妹尾仁嗣(理研)
Speaker: Dr. Hitoshi Seo (RIKEN)
Abstract:

物質中のスピン流生成はスピントロニクスの中心的な課題の一つである. その代表例であるスピンホール効果をはじめとして、強いスピン軌道結合を必要とするのが一 般的であるため[1,2]、重元素を含む無機物質が研究対象の中心となっている。 本講演では、スピン軌道結合に依存しないスピン流生成のメカニズムを、モット転移系 として活発に研究されてきた分子性導体κ-(BEDT-TTF)2Xを用いて提案する[3]。 κ型分子性導体のモデルとして、分子間の電子遷移積分と分子内クーロン斥力を考慮したハバードモデルを用い、これを平均場近似により解析した。 その結果、キャリ アドープされた反強磁性金属状態において、伝導面内の特定方向に電場を印加すると、その直交方向にスピン流が生じることを見出した。 これは、特徴的な分子配列と 反強磁性秩序の結合による特異なエネルギーバンドのスピン分裂に起因する。 スピン流の伝導度テンソルは対称であり、反対称テンソルで記述されるスピンホール効果 とは大きく異なる。 さらに、反強磁性絶縁体状態においてもマグノンを介した同様のスピン流生成現象が生じることを見出した。 本研究は中惇氏(早大)、速水賢氏 (北大)、楠瀬博明氏(明大)、柳有起氏(東北大)、求幸年氏(東大)との共同研究である。

[1] S. Murakami, N. Nagaosa, and S. C. Zhang, Science 301, 1348 (2003).
[2] J. Sinova et al., Phys. Rev. Lett. 92, 126603 (2004).
[3] M. Naka, S. Hayami, H. Kusunose, Y. Yanagi, Y. Motome, and H. Seo. preprint (arXiv:1902.02506)


世話人: 坂井徹 (兵庫県立大、量研SPring-8)
筒井健二(量研SPring-8)
中野博生(兵庫県立大)
Organizers: Toru Sakai(University of Hyogo, QST SPring-8)
Kenji Tsutsui(QST Pring-8)
Hiroki Nakano(University of Hyogo)